バイトが1時間早く終わったから少し歩くかって思って、浪人期に毎日通ってた道を歩んでみた。
少しだけ、本当はこの街が好きだったんだなってことを思った。
浪人期、数えてみれば1年にも満たない間しか通わなかった場所なのに…何故かそれまでの人生デどこよりも好きだった。
住んでる場所は東京と言えども田舎なもんで、高校は埼玉の田舎だったから都会が目新しかったんだろうな。
朝の道を行くサラリーマンを見ながら予備校へ向かい、自習室から会社帰りの人々が横断するのを見てた。
そして帰り道、オフィス街の残ってる明かりを頼りに道を歩んでたんだ。
本当に素敵な街だったな…何もかもが新鮮で
人と話すのが大好きな自分なのに、一人でいるのがあまり好きじゃない俺なのに
友達1人作らずに音楽を聞きながらこの街を歩くのがとても好きだった。
朝も昼も夜も大好きだったんだ。
ただそんな町にもお別れが来て、今がある。
眠らない街、新宿と言えどもいつかは寝ることになる。そして夜明けが来る。
俺にもそんな夜が明けない日々が過ごしてきたけれど夜明けが来た。
またいつか困難に呑み込まれて夜が明けない様な日々は来るんだろう……でもいつかは夜明けが来ると信じて生きてかなきゃなって
そう思った。
四ツ谷の街道を歩いてた。