1,2,3,4,5,6,7...
たった7秒間、されど7秒間。
人と話してる分には数秒。
でも、この数秒間はとても大きいものらしい。
この世界には7秒前までの記憶を保持できない人がいて、その人は常にメモを取っていた。
脳がやる作業を全て自分の手で書いていた。
その人は人が座った位置を記憶しなければいけないから親であっても図を作って表記していた。
そこに何故か心が苦しくなった。
その7秒前の記憶が保持できない症状は後天性のものだったらしい、
元々はメモなんてものはしないでいいような生活だったんだよ。
もし俺がそういう生活に変わったら耐えられるのかな?
多分耐えられないと思う。
ショックが強すぎて何もかも逃げ出しちゃう程俺は弱い。
でもその人は立ち上がってた、死にたいなんて思ったのはとうの昔だったらしい。
ずっと笑ってたよ、たとえ記憶が抜けても他人の話を真剣に受け止めていたよ、本当に強い人なんだと思った。
傍から見て客観的に俺が見てるよりも本人はよっぽど辛いんだと思う、でもその人は必死に生きていた、だから俺だってもっと強く生きなきゃいけないって思った。
全てが上手くいく世界ではない、自分の思い通りになる世界ではない、この世界の中心は俺なんかじゃない、
でも、俺は好きなことやってたいし輝いていたい。
死にたいことなんてよくあった、思い通りにいかなくて悔しくて泣いて自分にキレ散らかしたことなんて何度もあった、その度に自分を恥じた
なんで俺はあの娘に思いを伝えられないんだろう、なんであの時こんなこと言っちゃったんだろう、なんで思いを素直に伝えられないんだろう、なんでこんな行動しちゃったんだろう。
そんなこといつも思って、死にたいって思ったり生きてる意味なんてないって思った時もあった。
俺は強くない、だけど過酷な状況すら笑って受け止めて生きてる人を見たら負けてられないと思った。
7秒前には闇があったとしても7秒先は光があるのかもしれない。
過去に闇があってもそれは未来が照らしているからなんだと思う。
強く生きたいな、強くなりたいな。
たかが7秒間。
されど7秒間。
ある人にとってはちっぽけな時間。
ある人にとってはとても大きな時間。
受け止め方は人それぞれだけれど俺はこの時間を大切にして生きていこうと思う。
この先何があったって絶望だけはしちゃいけないんだろう。
7秒先には光しかないんだから。
過去の栄光なんてものは、
今はいい。